奈良県内で今年に入り、高齢者から現金をだまし取る「振り込め詐欺」が相次いでいます。
被害に遭いそうになった女性がその手口を語りました。
【女性】
「絶対に話をしたらダメです。相手はやっぱりプロだと思いました」
こう話すのは県内に住む60歳代の女性。
今月上旬、息子を名乗る男から自宅に電話がありました。
【女性】
「電話を取った時に、向こうが咳をして声を出しにくそうに苦しそうに、○○(息子の名前)だけど…」
奈良県警のまとめによると、振り込め詐欺の発生件数は去年1年間で35件なのに対し、今年は今月15日までに25件。
被害総額は既に去年1年間の合計の3倍以上、7200万円あまりにのぼります。
県内の進学校の過去の名簿をもとに電話をかける「オレオレ詐欺」が多発しているのが特徴だということです。
男は女性に対し、息子の声と違う理由を「風邪」とごまかしますが、女性は機転を利かし息子が小さかった頃の話をします。
【女性】
「『喉痛かったら「サロンパス」貼ったらいいから』と言ったら、相手が『そんな喉に「サロンパス」貼っていいの?』って」
女性は、喉を腫らすことが多かった息子に貼り薬を貼っていた昔の話が噛み合わないことに気づき、今回、被害に遭わずに済みました。
【奈良県警犯罪抑止対策室・辻本忠正 室長】
「風邪をひいて、電話番号が変わったという電話があれば、これは振り込め詐欺・オレオレ詐欺だと思ってもらったら結構ですので」
巧妙化する手口の中にも共通点はあります。
奈良県警は引き続き、振り込め詐欺への注意を呼び掛けています。
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