橋下市長が中止を求めている大阪市立桜宮高校体育科の入学試験について、教育委員会は、体育科とスポーツ健康科学科の入試を中止し、普通科に振り替えて行うことを決めました。
桜宮高校では先月、バスケットボール部のキャプテンの男子生徒が顧問から体罰を受けた翌日自殺しました。
顧問は、体罰が常態化していたことを認めていて、「クラブを強くするために必要」との認識を示しているということです。
また、おととし、体罰が発覚して停職処分となったバレーボール部の顧問が、処分の後も体罰をしていたことが明らかになっています。
こうした事態を受けて、橋下市長は先週、桜宮高校体育科とスポーツ健康科学科の入試を中止するよう教育委員会に求めました。
当初、教育委員会は、受験生への影響が大きいとして及び腰で、市議会でも反対意見が出されていました。
橋下市長は、21日朝、桜宮高校を訪れ、全校生徒を前に約1時間半、入試を中止することの必要性を説明し、生徒からは「体育科を継続してほしい」「受験の機会を奪わないでほしい」といった意見が出されたということです。
そして、教育委員会の会議に先立って、改めて教育委員会に対し、入試を中止する必要性を訴えました。
【橋下徹・大阪市長】
「一番重要なポイントは、今の桜宮高校の体育科が新入生を迎え入れられる状況にあるかどうかその1点に尽きる。これだけの暴力が常態化し、周りの先生も誰も止めることができなかった。多くの生徒や保護者が容認しています。むしろ、先生のこの指導方法を望んでいることも感じる。まずは原因を解明し、生徒保護者教員が一丸となって立て直しを考える。それが物事の順序だと思う」
これを受け、教育委員会は、その後の緊急会議で議論した結果、来年度の体育科とスポーツ健康科学科は新入生を受け入れず、普通科に振り返ることを決めました。
ただし実技も含め、2つの学科と同じ試験科目と配点で普通科の入試を行い、スポーツに特色のあるカリキュラムを学ばせることで、受験予定の中学生に配慮するということです。
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