飲酒運転や無免許など、悪質な運転の罰則を強化する新たな法律が20日、国会で成立しました。交通事故の遺族が求めた「厳罰化」が一歩進みました。
【参議院本会議】
「賛成可決229、反対0。よって本法案は、全会一致をもって可決されました」
悪質な運転で家族を奪われた遺族らが見守る中、成立したのは「自動車運転死傷行為処罰法」です。
これまで悪質な運転による事故では、最高刑が懲役20年の「危険運転致死傷罪」がありましたが、「正常な運転が困難な状態」と立証することが難しく、ほとんど適用されてきませんでした。
このため、最高刑が懲役7年の「自動車運転過失致死傷罪」が適用されることが多く、刑罰の差が大きすぎると、遺族が法改正を求めていました。
新たな法律では、飲酒や薬物、持病などで「正常な運転が困難な恐れがある状態」で事故を起こした場合、最高で懲役15年の罰則が設けられます。
また、事故の後に飲酒運転の発覚を免れるために逃走する、いわゆる「逃げ得」行為に対しては最高で懲役12年とする「発覚免脱罪」も新たに設けられました。
いずれの場合にも、無免許運転の場合は刑期にさらに3年~5年が加えられ、罪が重くなります。
【事故で娘を亡くした中江美則さん】
「すごいな、幸姫すごいな、お前らすごいことしたんやでってそういう言葉を心の中で叫びました」
【事故で娘を亡くした小谷真樹さん】
「多く方の人の命が犠牲になった上での改正という意味を、本当に多くの方に理解して頂いて、これからの抑止につながることをただ願ってます」
この法律は来年5月までに施行されます。
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