9年前、奈良県警の警察官が逃走中の車に発砲し助手席の男性が死亡した事件で、殺人などの罪に問われた警察官2人に対する裁判員裁判が始まり、2人は無罪を主張しました。
警察官の発砲について、付審判で殺人罪が審理されるのは全国で初めてです。
殺人などの罪に問われているのは奈良県警の警部補・萩原基文被告(35)と巡査部長の東芳弘被告(35)です。
この事件は2003年9月、奈良県大和郡山市の国道で一般車両に衝突を繰り返して逃走していた車両に対し警察官4人が拳銃8発を発砲し、うち2発が助手席にいた高壮日さん(当時28)に当たって死亡したものです。
奈良地検は4人を不起訴としましたが、奈良地裁は高さんに致命傷を負わせた萩原被告と東被告について特別公務員暴行陵虐致死などの罪で裁判にかける決定をしました。
その後、検察官役の指定弁護士が「2人には未必の殺意があり発砲は違法」として殺人罪でも審理することを主張して認められました。
23日の初公判で2人は、「逮捕するために運転手の腕を狙ったもので車が動いていたため結果的に高さんに当たってしまった」と無罪を主張しました。
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