児童虐待に求刑を大幅に上回る裁判員の判断です。
おととし、大阪府寝屋川市で当時1歳8ヵ月の三女を虐待し、死亡させたとされる両親の裁判員裁判で、大阪地方裁判所は懲役15年の判決を言い渡しました。
岸本憲被告(28)と妻の美杏被告(29)はおととし1月、寝屋川市のマンションで1歳8ヵ月だった三女の瑠奈ちゃんを手で殴り、投げつけるなどの暴行を加え、死亡させた傷害致死の罪に問われました。
裁判で2人は「死亡は転落などの事故によるものだ」と否認していて、検察は懲役10年を求刑していました。
21日に開かれた裁判員裁判の判決で、大阪地裁の齋藤正人裁判長は「2人は遅くとも3年前から日常的に暴行を始め、エスカレートしていった」と指摘。
瑠奈ちゃんが死亡した原因についても2人の暴行によるものだと認定し、求刑10年を大きく上回る、懲役15年の判決を言い渡しました。
量刑の理由について判決は「殺人との境界線上に近く、児童保護への世間の関心もあって厳しく処するのが妥当だ」としています。
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