枝野経済産業相は8日、関西電力管内での電力不足について「自主的な節電では夏を乗り切るのは厳しい」と話し、関西でも罰則付きの「電力使用制限令」を出すことに含みをもたせました。
関西電力は8日、火力発電所の点検作業を公開しました。
関西電力堺港発電所は、天然ガスを燃料とする効率の良い発電方法を使い、200万kWの出力がありますが、去年夏にはタービンが故障するトラブルがありました。
関西電力では「供給力を確保するため大規模な点検ができず、リスクが増えている」と説明しています。
「節電の夏」を乗り越えるには、トラブルのない運転が不可欠となっています。
こうした中、枝野経産相は8日の閣議後の記者会見で、この夏の関西電力管内の電力不足への対応について、次のように述べました。
【枝野経産相】「(電力不足の試算は)なかなか厳しい数字で、エネルギー・環境会議でさらに精査して需給ギャップを小さくする努力をしているが、なかなか厳しい状況になってきているなという認識は正直に持っている」
電力の需給状況が危機的になった場合、法令により政府は企業を対象に罰則付きの「電力使用制限令」を出すことができます。
枝野経産相はこの制限令について「できるだけ避けたい」としながらも、自主的な節電だけでこの夏を乗り切るのは厳しいとの考えを示し、制限令などの「強制手段」に含みをもたせました。
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