計画から28年を経て今年度から建設に関する予算がついた、大阪市の近代美術館について、橋下徹次期市長は、計画を白紙に戻す考えを表明しました。
他にも、文化行政全般について大胆な見直しが行われそうです。
【橋下徹・次期大阪市長】
「近代美術館はまずじっくり考えましょうと。市が負担するのか、大阪府民全体で負担するのか」
7日夜、橋下次期市長が見直しを表明した大阪市立近代美術館の建設計画。
市制100周年記念事業のひとつとして1983年に計画され、当初は2000年までに完成する予定でした。
モディリアーニの「髪をほどいた横たわる裸婦」、佐伯祐三の「郵便配達夫」。
これら近代美術館のためにバブル期に購入したり寄贈された美術品はおよそ4400点。
総額153億円にものぼります。
また、建設予定地も226億円で購入していました。
その後、財政難のため一度は事業が凍結されましたが、去年、平松市長が建設予算を当初の半分に減らして計画を進める方針を示しました。
2017年度の開館に向け、今年度から調査費が予算計上されています。
【松井一郎・大阪府知事】
「近代美術館は大阪府域全体から見学に来るし、それの負担を大阪市民だけでやるのか、大阪府全体で考えるのか、統合本部で検討しないといけない」
また、橋下次期市長は、8日、近代美術館だけでなく、文化に関する施策全般についてもゼロベースで見直すことを明らかにしました。
【橋下次期市長】
「お金の配分の仕方とか、何にお金を入れるのか、今までの日本の文化行政は間違ってると思う。文化行政をどう進めるのか、仕組みづくりから一から見直す」
見直しの対象には、大阪フィルハーモニー交響楽団への補助金や、伝統芸能・文楽の事業費への補助なども含まれていて、橋下市政は、4年前の大阪府と同様、聖域なきコストカットの嵐となりそうです。
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