神戸市にある理化学研究所は、ヒトの万能細胞・ES細胞から、世界で初めて目の網膜をつくることに成功したと発表しました。
目の病気の新たな治療法への応用が期待されます。
理化学研究所などの研究グループによると、ヒトのES細胞から立体的な細胞の塊をつくる技術で、網膜の元になる「眼杯」と呼ばれるお椀型の組織をつくり出しました。
そして眼杯を培養したところ、直径5ミリほどに成長し、光を感じる視細胞や、神経細胞などが何層にも重なった網膜になったということです。
ヒトのES細胞から網膜が作られたのは、世界で始めてです。
【理化学研究所・笹井芳樹グループディレクター】
「網膜は、非常に複雑な構造でデリケートな組織。普通には手に入れることができない人の網膜の組織を、簡単に大量に作れるようになった」
今後、網膜色素変性症など、失明の恐れがある目の病気について、網膜移植や新薬の開発など、新たな治療法に応用されることが期待されます。
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