6日に始まったJR西日本の歴代3社長の裁判で、指定弁護士側は「JR西日本が利益優先で安全対策をおろそかにしていたことが事故の背景にあった」と主張しています。
中でも、JR西日本の企業風土を作ったとされる井手正敬被告は事故について初めて公の場で話すことになります。
今回の裁判は、経営トップの刑事責任が問われること以上に、JR西日本の企業としての問題点を被告の口から語られるのかも焦点です。
脱線事故では、これまでにJR西日本の山崎正夫元社長(69)が同じように刑事責任を問われました。
山崎元社長は事故の9年前、安全対策を統括する鉄道本部長でしたが、判決では「危険性を予測することはできなかった」とされ、無罪が確定しています。
このため、刑法の専門家は、「鉄道本部長」より現場から遠い立場の「社長」が危険性を予測できたと立証するのは非常に難しいと指摘する一方、3人の刑事裁判が実現したことに「社会的な意義」があると話します。
【神戸大大学院法学研究科・大塚裕史教授】
「国民の安全にかかわるような企業の経営者は、悲惨な事故を起こせば場合によっては刑事責任を問われかねないということを世間に示しているわけで、そのこと自体が各企業の安全対策に努めるべしと警鐘を鳴らしていると思います」
また、事故の背景にJR西日本の安全を軽視する企業風土があることが事故調査などで指摘され、改善が求められています。
被告になった歴代社長3人、そのなかでも特に井手被告はJR西日本を作り上げた中心的な存在でした。
6日の法廷では、3人の被告は用意した書面を読み上げるだけで、自らの言葉で語ることはありませんでした。
真相を知りたいと願う被害者のためにも、責任を持って自らの口で問題点を語ることが求められます。
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