滋賀県大津市で、いじめを受けていた男子中学生が自殺した問題で、市の教育委員会が「男子生徒が自殺の練習をさせられていた」とのアンケート結果について加害生徒に確認していなかったことが分かりました。
【男子生徒の同級生】
「ハチを食わされていたり、毎日殴られたりしていた。教師も見て見ぬふりで、みんなも助けようと思っていなくて、かわいそうだった。いじめだと思いました」
去年10月、大津市の中学2年生の男子生徒(13)が自宅マンションから飛び降り、自殺しました。
その後、市の教育委員会は、全校生徒にアンケート調査を行い、いじめがあったことが分かりました。
さらにアンケートでは、15人の生徒が、「男子生徒は自殺の練習をさせられていた」と回答していますが、市教委はこの事実を公表せず加害生徒側に事実確認もしていなかったことが分かりました。
【大津市教委】
「アンケートで回答した生徒たちがその場面を目撃した訳ではなく、情報の出どころの確証を得られなかった。加害生徒に無理に聞きに入るのは難しいとの判断をした」
男子生徒の両親は、大津市や加害生徒を相手に損害賠償を求める裁判を起こしています。
こうした事態を受け、大津市の越直美市長は、今回の問題について初めて口を開きました。
【越市長】
「やはり市長に就任してからもっと早くにこういうことをしておくべきだった。大変申し訳ないという思いです」
越市長は6日、いじめの実態を再調査するための調査委員会を設置し、今後、加害生徒に対しても聞き取り調査を行う方針を明らかにしました。
【越市長】
「大津市としては訴えられた以上、訴訟の中で事実を明らかにしていくと思っていた。今の調査結果では不十分なところもありますので、さらに調査して事実かどうかを確認したいと思う。外部の調査委員会で、どうしたらいじめを防げるか具体的に検討することで、大津市でいじめをなくすことに近づけたい」
また越市長は、男子生徒の保護者に直接面会をしたいと話しています。
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