滋賀県大津市で自殺した中学生の遺族が「いじめが原因」と市や同級生らを相手に起こした裁判で、大津市が「いじめと自殺の因果関係を認める可能性が高い」と、これまでの主張を一転させました。
【大津市・越直美 市長】
「学校と教育委員会の調査が不十分だった、ずさんだったということが分かりましたので、そのまま訴訟追行ができないと判断しました」
大津市の越市長がこう話したのは、去年10月に自殺した当時中学2年の男子生徒(当時13)の両親が訴えた裁判について。
両親は「自殺の原因は同級生によるいじめだった」として、大津市と、いじめをしていたとされる同級生らに対し、損害賠償を求めています。
大津市側は当初、「いじめと自殺との因果関係はわからず、市に過失はない」と、争う姿勢を示していました。
しかし、その後、学校や教育委員会の不適切な対応が次々と明らかになり、17日に開かれた2回目の口頭弁論で大津市側は、「今後、因果関係を認める可能性が高く、和解協議をしたいという意思がある」と、主張を一転させました。
その上で「最終的な決定については第三者委員会と警察の調査結果を待ちたい。4ヵ月ほど、市の主張を待ってほしい」と述べました。
【男子生徒の父親のコメント】
「学校並びに大津市教育委員会の記者会見を見ておりますと、もしかしたら息子は学校に見殺しにされたのではないかという気がしてなりません。今回、大津市の方から和解の申し出があった点、因果関係を認めるとしている点については評価しています」
【越市長】
「現時点では、まず事実を解明することが一番であって、和解するとすれば内容は調査委員会の結果をもって検討したいと思う。調査については因果関係があったんだという前提に立って、必要な調査を十分やっていければと思います」
このように裁判で大津市として主張を一転させたはずですが、当事者の教育委員会は17日午後の取材に対しても、なお、市長との食い違いを見せています。
【澤村憲次 教育長】
「主張を取り下げるということではないと思っている。一旦、い
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