貴重な地形や地質が認められて世界ジオパークに認定された山陰海岸をめぐる遊覧船があります。
船長はこの道40年以上、80歳の男性です。
穏やかな海を滑るように進む遊覧船。
船を自在に操るのは川口茂さん、御年80歳です。
【乗客】
「えーすごい。若い」
「80歳?すごいなあ。わしより12も上や」
珍しい形の岩や島がひしめく山陰海岸で、川口さんは遊覧船一筋約半世紀の大ベテランです。
「ジオパーク」の認定を受けたことが、町の盛り上がりにつながればと期待しています。
【川口さん】
「私もずいぶん年とりましたけどね。ジオパークに関心もってこられるお客さんが満足するような、船の運転とか、来られたお客さんのもてなしができるように勉強したい」
山陰海岸ジオパークは「地形・地質の博物館」とも呼ばれています。
発着場や切符売り場は町の予算で整備されましたが、船の運営は妻のさゑ子さん(79)との二人三脚で続けてきました。
夫婦の願いは、2人が元気なうちに後継者が見つかることです。
【川口さん】「本当にやる気をだして取り組んでもらえる人がおれば、それにこしたことはない。口先だけの人じゃ困りますけどね」
次の世代にバトンタッチするその日まで―。
川口さんはきょうも、遊覧船の舵を握ります。
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