小児がんなど治療の難しい病気と闘う子どもたちが、家庭的な雰囲気の中で家族と一緒に過ごすことのできる、全国初のこどもホスピスが、大阪市内に完成しました。
子ども用の勉強机に人気キャラクターが描かれた壁。
まるで自宅にいるような空間が広がっています。
大阪市東淀川区の淀川キリスト教病院に完成した「ホスピス・こどもホスピス病院」では、1日、記念式典が開かれました。
「こどもホスピス」とは、小児がんなど治療の難しい重い病気と闘う15歳以下の子どもたちが、治療や医療的ケアを受けながら家庭にいるような環境で過ごせる施設です。
【記者リポート】
「『おうち』とと呼ばれる共有スペースでは、家族が料理をしながら、リビングで子どもが遊ぶ様子を見守ることもできます」
この病院では、これまで面会に制限のあった家族たちも一緒に寝泊まりをすることができます。
また、学校に通えない子どもたちにボランティアの教員や保育士を呼び、学びの機会を与える場所もつくられました。
「子どもホスピス」は、30年ほど前にイギリスでできたのが始まりで、日本での必要性を感じた医師たちが3年がかりで実現させました。
子ども向けのホスピスは、日本で初めてです。
【英国のこどもホスピス創始者 シスター・フランシス・ドミニカ】
「(日本でも)こどもホスピスが設立されたことに、大きな興奮と喜びを感じています」
【ホスピス・こどもホスピス病院 鍋谷まこと院長】
「(病気が)治らない子どもたちのためにつくられた施設はない。もしそういうところで救われる人がいるなら、一つの選択肢として利用して頂きたい」
子ども向けには、12の部屋が用意されていて、在宅で治療を続ける子どもが一時的に滞在することもできます。
すでに10組ほどの家族が登録をしていて、2日にも利用が始まるということです。
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