滋賀県大津市で、いじめを受けた後に自殺した男子中学生の父親が、アンケート結果を漏らさないよう口止めされたとして大津市を訴えた裁判で、市が6日、「配慮を欠いた」と謝罪しました。
自殺した男子生徒の父親は、学校が行ったいじめに関するアンケート結果の提供を受ける際、学校側から「内容を外部に漏らさない」との確約書に署名させられ精神的苦痛を受けたとして、大津市を訴えていました。
6日に行われた口頭弁論で大津市側は、「自殺の原因を知りたいという遺族の心情に対し配慮を欠いた」と父親に謝罪しました。
【大津市・越直美 市長】
「基本的に情報開示する姿勢が不十分だった。遺族の知る権利に資するような情報開示に努めていきたいと思っています」
【男子生徒の父親】
「この市長の決意は、いま現在情報開示で苦しんでいる方々の一助となることはもちろん、いじめ問題を根底から無くそうとする模範であり、教育の場を改善するのだという強い意志を感じております」
しかし、こどもの自殺をめぐってアンケート内容が開示されるケースはほとんどありません。
父親の会見には、去年、鹿児島県出水市で自殺した中村真弥香さん(当時13)の遺族も同席。
真弥香さんは、遺族らが独自に行ったアンケート調査でいじめを受けていたことが明らかになりましたが、学校が行ったアンケート調査の結果は未だ開示されていません。
【真弥香さんの祖父・中村幹年さん】
「家族全員が笑顔のない毎日を過ごしております。どうして孫が自殺したのか、真相がわからないまま、葬儀を済ませました」
中村さんたちは、情報が保護者に速やかに開示されるよう文部科学省に訴えています。
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