現存する中で最も古いものかもしれない「おみくじ」の版木が、大阪の寺で見つかりました。
奈良大学の教室で学生たちが紙を必死に叩いています。
段々何かが浮かび上がってきました。
出てきたのは…「大吉」の文字。
彼らは「おみくじ」の版木を写し取っていたのです。
この版木は大阪府島本町の寺で保管されていたもので、これまで詳しい調査はなされていませんでした。
しかし、今回、版木の研究をしている奈良大学の永井教授が調べたところ、彫り方の特徴などから300年ほど前のものであることが分かったのです。
【奈良大学文学部・永井一彰教授】「江戸時代の中期ですね。版木の作り方がかなりしっかりしていて、専門の本屋が作った版木だということははっきり言えますね」
桜の木に掘られた版木におみくじが100枚分。
永井教授が学生たちと一緒に紙に写し取ってみると…、おみくじの創始者で、その醜い姿に魔除けの効果があると言われる平安時代の僧、元三大師の絵と言葉が出てきました。
【永井教授】「これは凶ですね。あしきことはあめのふるようであろうずぞ…、悪いことが雨が降るように降りかかってくるよって。こんなくじ引きたくないね」
永井教授によると、現存する中で最も古いおみくじである可能性もあるということです。
江戸時代の人々も、初詣の時にはおみくじの結果に一喜一憂していたのでしょうか。
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