飲食店の従業員に対する暴行罪で強制起訴された徳島県石井町の町長に対し、徳島地方裁判所は有罪判決を言い渡しました。
検察審査会による強制起訴制度が始まって以来、初めての有罪判決です。
【徳島・石井町河野俊明町長(閉廷後)】
「笑う判決でございますね」
呆れた表情で有罪判決を批判した徳島県石井町の町長で被告の河野俊明町長。
河野町長(68)は2009年7月、徳島市内の飲食店で女性従業員の顔に拳を押しつけたとして暴行の罪に問われていました。
河野町長は事件当初、起訴されませんでした。
それは捜査を行った検察庁が「暴行は偶発的で軽微、起訴するほどではない」と判断したからでした。
しかし、市民で構成される検察審査会は「双方の主張が対立していて、司法の場で真実を明らかにすることが重要で起訴するべき」と議決し、その結果、河野町長は強制起訴されました。
8日の判決で徳島地方裁判所は、検察と同じように「暴行は偶発的で軽微」としたものの、「被害者の屈辱感は大きい」と指摘し罰金にあたる科料9000円の有罪判決を言い渡しました。
検察審査会の議決によって強制起訴された事件での裁判では、これまでに2件の無罪判決が言い渡されていて、有罪判決はこれが全国で初めてです。
無罪を主張していた河野町長は法廷で控訴する意向を示しました。
【河野町長】
「(これまでの)2件とも無罪になって、『今度は起訴猶予だから河野さんはどうや?』と皆さんが騒ぐから、裁判長も仕方なしに「9000円」と、こんな訳分からん判決を言い渡したのではないか」
「検察審査会についてはナンセンスですね」
一方、被害者と検察官役の指定弁護士は制度に意義があったと話します。
【被害女性】
「ここまでやってくれて本当によかった、(制度がなかったら)被害者の泣き寝入りだと思う」
【検察官役の指定弁護士】
「検察官が判断したんだからそこを信用しろ、ということは違う、(検察審査会は)検察の判断がきちんと適正に行われているかどうかの一つのチェック機能」
また、専門家もこの判決で
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