ゴミ収集を担当する環境部の職員が勤務中に勝手に職場を抜け出すなどの不祥事が相次ぐ奈良市は出勤や退勤の管理を、手の静脈を読み取る「生体認証」で行うことを決めました。
【仲川げん奈良市長】
「こんどこそは確実に不祥事を撲滅する」
奈良市の仲川市長が強く訴えるのは不祥事が相次ぐ環境部の改革です。
【刑部仁記者】
「現在はこのように職員証をかざして出勤時間を記録していますが、今回新たに手の静脈をかざして本人を認証するシステムになっています」
奈良市の環境部では2007年、勤務中に職場を抜け出すいわゆる「中抜け」をしていた職員5人が懲戒処分になりました。
また去年、奈良市が全ての職員を対象に実施したアンケートでは「出勤していない人や早退した人が同僚に代理でタイムカードを押してもらっている」という報告もありました。
このため、市は環境部だけを対象に銀行のATM(自動預け払い機)などで使われている手の静脈で本人確認をするシステムを導入し、不正を防止しようというのです。
このほかにも敷地の入り口や出口に監視カメラを設置して、勤務時間中に抜け出す職員がいないかチェックする予定です。
【奈良市環境部吉住之宏部長】
「たくさんの職員を管理しているので100%管理するのは難しいが、(今回の施策の)抑止効果でそれなりの改善はできるのではないか」
【仲川げん奈良市長】
「まともに仕事をしている大半の職員にはなんら不利益にならないと思う。賛否両論はあると思うが奈良市の現場はここまでしないといけないんだとというのが私の考え」
これに対し環境部の労働組合は「まるで犯罪者扱いされている。真偽不明のアンケートを根拠にされるのも納得いかない」と強く反発しています。
生体認証システムと監視カメラはことし4月から導入される予定です。
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