7年前のJR福知山線脱線事故を巡り業務上過失致死傷の罪に問われたJR西日本の前社長・山崎正夫被告に対し、神戸地方裁判所は11日、無罪を言い渡しました。
「主文、被告人を無罪とする」
無罪判決が言い渡された瞬間、山崎被告は直立不動で表情を変えず、一方、検察官席の後に座った遺族はうつむき加減で淡々と聞いていました。
業務上過失致死傷の罪に問われたJR西日本の前社長・山崎正夫被告(68)。
2005年の福知山線脱線事故では、乗客106人が死亡、493人が負傷しました。
山崎被告は事故の9年前に現場カーブを急カーブに付け替えた際、安全管理の責任者でした。
JR史上最悪となったこの事故の裁判では、山崎被告が現場カーブの危険性を認識し、事故を予見できたのに、ATS・自動列車停止装置を設置しなかったことが事故を招いたと検察側が主張していました。
山崎被告は一貫して無罪を主張…、検察側は禁錮3年を求刑し、11日の判決を迎えました。
事故で18歳の次男・昌毅さんを亡くした上田弘志(57)さんは、これまで27回の公判全てに足を運び、検察官席から山崎被告の姿を見てきました。
【判決前の上田弘志さん】
「山崎さんが裁かれることによって、JR西日本も本気で安全と言うものを考えてくれるんじゃないかなと思う気持ちがすごいあるんです。有罪以外ありえないと思っています」
【記者リポート】
「無罪です。JR西日本の前の社長、山崎正夫被告に無罪判決が言い渡されました」
判決で神戸地裁の岡田信裁判長は「事故まではATS設置を義務付ける法律はなく、日本の鉄道事業者は個別のカーブ毎に脱線の危険があるか計算してATSを設置していたとは言えない」と指摘。
「山崎被告に現場のカーブが危険との認識はなく、ATSを設置しなくても安全管理者としての行動基準を逸脱しているとは言えない」として無罪を言い渡しました。
一方で、JR西日本の安全対策については「ATS整備のあり方などに問題があり、組織として期待される水準には及ばなかった」と言及し
↧