性同一性障害の男性が、第三者の精子提供を受け生まれた子供について「嫡出子」として出生届を区役所に提出しましたが、事実上の「不受理」とされました。
男性は今後、裁判所に不服申し立てをする方針です。
大阪府内に住む家族。
夫の前田良さん(29)に甘える2歳の男の子には戸籍がありません。
【前田良さん】
「僕も父親と認められたいし、息子も戸籍が無い状態なので早く戸籍を作ってあげたい」
女性として生まれた前田さんは9年前、体と心の性が一致しない性同一性障害と診断されました。
その後、戸籍は女性から男性に変更され、結婚…、第三者からの精子提供を受け妻は男の子を出産しました。
夫婦はこの男の子を「嫡出子」つまり「2人の間に生まれた子ども」として出生届を出しました。
しかし役所は受理しなかったのです。
【前田さん】
「差別されて父親として認められないというのは間違っているしおかしい話」
前田さんが「差別」と言うのには理由があります。
不妊治療で第三者提供の精子で出産した場合、子どもとの間に血縁関係がなくても本人が申告しない限り役所では分からないので、「嫡出子」として出生届が受理されます。
しかし、前田さんの戸籍には女性から男性への「性別の変更」が記されていて、生まれた子どもと血縁関係がないことが分かるため、「嫡出子」として受理されないのです。
2年前、当時の千葉景子法務大臣がこの現状について救済策の検討を表明しましたが、その後、制度は何も変わっていません。
【前田さん】
「(国は)ほっときゃ何とかなるだろうというような感じでしか思えなかった。(血縁関係が)「分かる、分からん」で人生を判断されたくないと思いましたね」
前田さんが27日向かったのは、本籍がある東京都の新宿区役所。
別の役所で再び出生届を提出するためです。
担当者は形式的に受け取ったものの、届けの父親の欄から前田さんの名前を消し、「非嫡出子」扱いにするよう提案しました。
【前田さん】
「悲しいし、つらいし…、はっきりしたけど、心
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