奈良県立医科大学の名誉教授が、なんとクモの糸からバイオリンの弦を作りました。
果たして、どんな音色を奏でるのでしょうか。
クモの糸を研究して35年。
奈良県立医科大学の大崎茂芳名誉教授(65)は、クモの糸からとんでもないものを作りました。
【大崎名誉教授】「これがクモの糸から作った弦なんです」
大崎名誉教授は2年前、1万本のクモの糸をより合わせ、バイオリンの弦を作りました。
より合わせて糸の断面を円形から多角形にすることで、通常のナイロン製の弦よりも強度は4割、弾性は3割も増したといいます。
【大崎名誉教授】「バイオリンの弦は素材の違いを反映すると聞き『よしやってみよう』と。1mの糸を切らずに集めるのが課題だった」
この弦を高価な一級品のバイオリンに取り付けて、大阪音楽大学・松田淳一講師に弾いてもらいました。
【松田講師】「素晴らしいの一言。最高の弦ができたんだなと」
大阪・天満橋にあるバイオリン工房の社長・馬戸修さんも交えて、通常の弦と比較します。
【馬戸さん】「ここまでの完成度は今の時代でないとできない」
【記者】「商品化しますか?」
【馬戸さん】「クモを捕るの、大変なんじゃないですか」
【大崎名誉教授】「クモというのはそう簡単に糸を出してくれない。すぐ切ってしまう。根気よくその糸を集めて弦を作ったわけです」
弦1本を作るのにクモ100匹が必要とあって、大量生産は難しいそうです。
それでも、大崎名誉教授の元には世界中の演奏家から問い合わせが相次ぎ、注目が集まっています。
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