関越自動車道で乗客45人が死傷した高速バスの事故で、国土交通省は30日、ツアーを企画した大阪府豊中市の旅行会社の立ち入り検査を行いました。
豊中市の旅行会社「ハーヴェストホールディングス」は30日、国土交通省・近畿運輸局の立ち入り検査を受けました。
ハーヴェスト社が企画した、約500kmのコースを走っていた高速ツアーバスが起こした悲惨な事故。
ハーベスト社の幹部は安全管理についてバス会社に一任していたと強調します。
【ハーベスト社専務】「バス会社のやり方・ルールを侵すことは出来ない、任せるのが前提、こちらから何時間休憩しろとは言えない」
(Q:2人での運行は考えなかったのか?)
「2人運行の選択はバス会社に任せている」
警察は「居眠りをしていた」と話しているバスの運転手を、怪我が回復し次第逮捕する方針ですが、専門家は構造的な問題を指摘します。
【公共交通の安全問題に詳しい関西大学・安部誠治 教授】
「構造的に見て単に一運転手の責任だというふうにみてしまうとまずい」
今回のように旅行会社がルートを決め、別のバス会社に委託して運行される「高速ツアーバス」は、10年前の規制緩和によって急増。
しかし、運転手が長時間の勤務を強いられるなどして事故が続発したため、国は今月3日になってようやく規制見直しを報告書をまとめたところでした。
バス会社についての安全対策強化が始まることになりますが、安部教授はさらに、旅行会社についても法整備を検討すべきと指摘します。
【安部教授】
「乗客に販売したのは旅行会社ですよね、安くても、安全を担保しているという自覚を持たないといけないので、『旅行会社も責務を負っている』と法律に明記すべきではないか」
大惨事となった今回の事故。
繰り返さないために、安全に向けた一刻も早い制度作りが必要です。
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