滋賀県大津市で、いじめを受けていた中学2年生の男子生徒が自殺した問題で、教育委員会が行ったアンケートに複数の生徒が「男子生徒が自殺の練習をさせられていた」と回答していたことが分かりました。
教育委員会は、この事実を公表していませんでした。
中学2年生の男子生徒(当時13)は去年10月、大津市の自宅マンションから飛び降り自殺しました。
大津市教育委員会は、その後、全校生徒を対象にアンケート調査を実施し、男子生徒が死んだハチを口に入れられるなど複数の生徒からいじめを受けていたことを認めました。
しかし、このときの会見では公表されていなかったアンケート結果がありました。
アンケートでは「男子生徒は、昼休みに毎日自殺の練習をさせられていた」「加害生徒が自殺のやり方を練習しておくように言っていた」などと15人の生徒が回答していたのです。
なぜ、この事実を公表しなかったのか?
教育委員会は4日、「事実を確認できなかったから」と説明しました。
【大津市教育委員会の担当者】
「隠したという風には捉えていない。(回答は)自分の目で見たという記述ではない。そんなことがあったらしいと書いてくれている。信憑性のある情報にたどり着かなかった」
男子生徒の両親は、大津市や加害生徒らを相手に損害賠償を求める裁判を起こしていて、学校側は「いじめと自殺の因果関係は分からない」と争う姿勢をみせています。
【両親の弁護人】
「アンケートの結果として15名の生徒が(自殺の練習に)触れているとオープンにすべきだった。あえて伏せたんじゃないか、隠したんじゃないかと言われてもしょうがない」
『自殺の練習』は本当に無かったのか?
裁判中であることを理由に踏み込んだ説明は避けた学校側。
次の口頭弁論は今月17日に開かれます。
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