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「視野が狭くなる難病」で無罪 軽自動車で死亡事故の男性被告

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軽自動車で歩行者の男性をはね死亡させた罪に問われた奈良県の男性に対し、奈良地方裁判所は9日、無罪を言い渡しました。 無罪の理由は、視野が狭くなる病気です。 去年3月、奈良市都祁白石町の国道で横断歩道を歩いて渡っていた男性(当時69)が軽自動車にはねられ、死亡しました。 軽自動車を運転していた宇陀市の43歳の農業の男性は、前方をよく見ていなかったとして自動車運転過失致死の罪で起訴されましたが、起訴後、網膜色素変性症と診断されました。 網膜色素変性症とは、網膜にある細胞の異常で視野が狭くなる病気ですが、徐々に進行し、視力はなかなか衰えないため、気づきにくいのが特徴です。 【上川眼科・上川俊一郎院長】 「かなり進んだ状態でも社会生活は営んでおられます。自覚的に『私、おかしいです』と来られた患者はかなり進行している状態です」 裁判で、弁護側は「黒い残像のようなものを見たが、人であるかは分からないまま消えてしまい、事故まで歩行者は見えなかった」と無罪を主張していました。 奈良地裁の今井輝幸裁判官は、9日、「男性は正面の一部しかよく見えず、事故当時、病気との認識はなかった」と認定。 その上で、「歩行者を見つけることが出来なかった合理的な疑いが残る」として、男性に無罪を言い渡しました。 一方で、今井裁判官は、判決の後、運転免許の更新のあり方について検討すべきとの考えを示したということです。 網膜色素変性症の患者は、4000人に1人とも言われていますが、運転免許に制限はなく、眼科医の団体も対策の必要性を訴えています。 【日本眼科医会・高野繁会長】 「危ないから、『なんとか制度上、(免許)更新時に視力検査だけでなく視野検査もやったほうがいいんじゃないか』と前からお願いしていた。制度をつくってあげれば、こういう不幸(な事故)は未然に防げたのかな」 判決を受けて、歩行者の妻は「夫は横断歩道を飛び出した訳でもない。死が無駄にならないよう、免許のありかたを考えてほしい」と話しています

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