乗客106人が死亡したJR福知山線の脱線事故の裁判で、強制起訴された歴代の社長3人に対する被告人質問が始まり、井手正敬元社長は「カーブの危険性を判断する義務はなかった」と無罪を主張しました。
【井手正敬 被告】
「カーブの危険性に気づく方が無理だった」
法廷で、JR西日本の元社長井手正敬被告(77)は、語気を強めてこう主張しました。
2005年4月、兵庫県尼崎市で乗客106人が死亡したJR福知山線の脱線事故。
井手被告のほか、南谷昌二郎被告(71)、垣内剛被告(68)の歴代3社長は、現場カーブに「ATS=自動列車停止装置」を設置せず、脱線を引き起こしたとして、業務上過失致死傷の罪で検察審査会の議決によって強制起訴されました。
30日で行われた弁護側の被告人質問で井手正敬被告は、「カーブの危険性を判断する立場になく、義務はなかった」と無罪を主張しました。
そして、検察官役の指定弁護士の質問に対して、井手被告は…。
【検察官役の指定弁護士】
「ATSを整備しなかったのは、コストカットを意識してではないのですか?」
【井手被告】
「安全については、第一に考えていました」
【事故で次男を亡くした上田弘志さん】
「一言でいったら、予想どおり。カーブの事以外はよくしゃべるんですよ、カーブのことになると覚えていない、記憶にないって」
【事故で長女を亡くした大森重美さん】
「大きな事故とかそういう場合には、当然上の管理者には責任が追及されるべきだと思う。社長にも及ぶべきだと思う。管理責任が」
遺族は来月、被害者参加制度を利用して、直接、井手被告らに質問をする予定です。
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