病院を建てる資金に使うなどと謳って「医療機関債」という債券を販売し、高齢者から金をだまし取ったとして警察は東京の医療法人の元理事の男ら10人を逮捕しました。
被害は、全国で380人、12億3800万円に上るとみられます。
『東北の震災で病院が倒壊し、高齢者も増加して病院が不足している』
『資金は人工透析専門の病院の建設に使う』
「医療法人への信頼感」を詐欺の道具にした男たちが逮捕されました。
そのターゲットにされたのは主に高齢者でした。
【被害に遭った高橋さん】
「年金をコツコツ貯めていたんです。今考えると迂闊だった」
後悔を口にするのは関東地方に暮らす60歳代の高橋さんです。
ある出資話で老後に貯めていた金を騙し取られました。
【被害に遭った高橋さん】
「1口50万円で2口、契約を申し込みました。100万円ですね。5年後にはお返ししますってその人は私に話してくれました」
高橋さんが購入したのは「医療機関債」。
医療法人が病院を新たに作ったり、医療機器を購入したりする資金調達のために発行する債券です。
満期がくると元本と一緒に利息が支払われますが、医療法人が経営難になると金が戻ってこない恐れもあります。
高橋さんは、おととし9月、営業マンから購入を進められました。
自宅近くの駅で会った営業マンは、「人工透析を受けられる病院を新設する。元本保証で年4%以上の利息が付く」などと説明したため、高橋さんは購入を決めました。
【被害に遭った高橋さん】
「募集枠が埋まってしまうと債権が買えなくなるから早く申し込んでくださいと言われた。人工透析をするのに困っている方もいるのかと思って、そういう病院の設備に使われるのであれまよいのかなと思った」
債券を発行したのは、東京都新宿区の医療法人真匡会でした。
主に人工透析専門のクリニックを経営しています。
真匡会は、3年ほど前から東京の「共同医療事務センター」という業者を介して医療機関債を販売していました。
しかし去年、突然購入者への利息の支払いをストップ。
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