大阪府岸和田市で、市役所に届けられた高齢女性2人の虐待情報が放置されていたことがわかりました。
女性2人は骨を折る重傷です。
今月7日、岸和田市土生町で男(54)が、87歳の母親に暴行を加え重傷を負わせたとして逮捕されました。
またその翌日には、磯上町で別の男(43)が79歳の母親をほうきで殴り骨折させたとして逮捕されました。
実は、行政にはこの2つの事件を防ぐチャンスがありました。
市役所には、事前にそれぞれの女性が利用する介護施設から別々の部署に通報がありました。
しかし、肝心の高齢者虐待を担当する部署には通報の情報が伝わっていなかったのです。
【岸和田市の担当者】
(87歳女性について)
「(連絡を受けた部署の)担当者が他の業務がありましたので、通報のFAXに気付くのが遅かった」
(79歳女性について)
「緊急性がないものと判断してこちらまで届いていなかった」
放置された虐待の情報…。
専門家はこの背景として、高齢者虐待の対応を法的に義務付けていない制度の問題点を指摘します。
【甲南女子大学 津村智惠子学部長】
「児童虐待のように48時間以内に動かないという義務がない。高齢者の場合は法律的には少し緩やかですから、動きが鈍かったんだと思います」
岸和田市では、情報共有のルールを職員に徹底して再発を防止したいとしています。
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